これから民泊を始めたい方向けに必要な許認可等について説明しています。
急増する訪日外国人観光客の多様な宿泊ニーズへの対応や空き家の有効活用といった地域活性化の観点から民泊に対する期待が高まっています。
目次
民泊事業は許認可または届出が必要
一軒家やマンション、オフィスビルなどを活用して民泊事業を始めるときは許認可または届出が必要になります。違法民泊については罰則も設けられています。関係法令を遵守した設置と運用が求められます。
民泊に関係する3つの法律
これから始める民泊事業が以下の3つのどの法令に基づく許認可や届出が合っているか検討をします。
- 旅館業
- 住宅宿泊事業法(民泊新法)
- 国家戦略特別区域法に基づく旅館業法の特例(特区民泊)
無許可で民泊を営業(違法民泊)や民泊事業者が法令に違反した場合の罰則
対象者 | 罰則 |
---|---|
・無届で営業した者 ・虚偽の届出をした者 ・業務廃止命令に違反した者 | 6月以下の懲役若しくは100万円以下の罰金又はこれの併科 |
・住宅宿泊管理業者及び住宅宿泊仲介業者への委託義務に違反した者 | 50万円以下の罰金 |
・変更の届出をしていない者又は虚偽の変更の届出をした者 ・宿泊者名簿の備付け義務、標識の掲示義務に違反した者 ・定期報告をしていない又は虚偽の報告をした者 ・業務改善命令に違反した者 ・報告徴収に応じない者又は虚偽の報告をした者 ・立入検査を拒み、妨げ、又は忌避した者 ・質問に対して答弁しない者又は虚偽の答弁をした者 | 30万円以下の罰金 |
・事業廃止の届出をしていない者又は虚偽の事業廃止の届出をした者 | 20万円以下の過料 |
一定のルールの下、健全な民泊サービスの普及を図るため、平成29年6月に住宅宿泊事業法(平成29年法律第65号)が成立しました。
旅館業の許可を取得する場合
旅館・ホテル営業か簡易宿所営業のどちらかで許可を取得する必要があります。旅館・ホテル営業はフロントの設置義務があるため、一軒家やマンション、オフィスビルなどを活用して民泊であれば簡易宿所営業の許可を取得するのが一般的です。
民泊新法(住宅宿泊事業法)や特区民泊として運用する
旅館業の簡易宿所営業の許可を取得する以外に制限や条件が緩やかな民泊新法(住宅宿泊事業法)や特区民泊として運用する方法があります。
民泊新法は簡易宿所営業に比べて制限や条件が緩やかですが、年間180日以内の宿泊日数が上限とされ、部屋面積に応じた宿泊人数の制限や、外国語による施設案内・交通案内などのルールが定められています。
特区民泊は、宿泊日数の制限はありませんが2泊3日以上の滞在が条件であったり台所や浴室などの洗面設備が必要、床面積が25㎡以上必要など民泊新法に比べ要件が追加されます。
簡易宿所・特区民泊・民泊新法の比較表
簡易宿所 | 特区民泊 | 民泊新法 | |
---|---|---|---|
営業日数 | 制限なし | 制限なし | 年間180日以内 |
宿泊日数 | 制限なし | 2泊3日以上 | 制限なし |
フロントの設置義務 | なし *一部条例による設置義務あり | なし | なし |
客室面積 | 3.3m2/人 宿泊者が10人未満の場合 | 25m2以上 | 3.3m2/人 |
安全確保のための非常用照明・消防設備の措置義務 | 必須 | 必須 | 家主居住型で民泊部分が小さい場合は緩和 |
不在時の管理業者への受託義務 | なし | なし | あり |
詳細 | 詳細 | 詳細 |
開業までにかかる日数
民泊を始めるには、保健所や消防署とのやり取りや現地の検査を平日の日中に行い、書類の取得や作成など全てが揃ってから許可等の申請をして、それが認められてはじめて営業を開始することができます。
民泊事業の開業のために
民泊を始めるには、行政機関への許認可等の申請が必要です。
申請に必要な書類作成だけでなく、必要に応じて「営業場所の立地確認」「保健所などとの事前相談」「消防設備等の確認」「面積の確認や図面作成」「周辺住民への説明会」「廃棄物の処理方法」といった多くの準備が必要になります。
このような煩雑な申請業務の手間を減らし円滑に民泊事業を始めるためには、行政書士による民泊申請代行を利用すると便利です。経験豊富な行政書士による民泊申請代行は専門的な知見から、行政機関との確認・調整業務を行うことで円滑な申請が可能になります。
オーナー様にとって許認可等の申請に苦労し、万一開業が遅れてしますと機会損失につながります。一日でも早く営業を開始できるように、信頼できる行政書士と事前に相談して申請の準備をすることがおすすめです。
申請書類の作成は行政書士に相談しましょう
行政書士でないものが、他人の依頼を受け、業として、官公署に提出する書類の作成を行うことは法律で禁じられています。複雑な申請書類の作成は行政書士に相談しましょう。許認可制度の概要をわかりやすく説明し、事業開始まで伴走しサポートします。